――われわれは自分が正しいとき他者を憎むより、
                          自分がまちがっている時にかえって他者を憎む――
                                         (『意味という病』 柄谷行人)
 

       追い込み屋とは?

 電波系というある種の侮蔑を込めた紋切り型の言葉があります。

 これは関係妄想被害妄想など精神に異常があると認められる人物を指す言葉です。

 まず、結論から書きます。(断ることもありませんが、これは私が聞いた噂です)

 噂を元に判断すると追い込み屋とは人為的に目標とする人物を
               精神障害者へと追い込む集団ということになります。

 では、なぜ、追い込み屋が存在するのか?

 何らかの理由があるから、ある人物を追い込んだりするのでしょう。

 このHPを立ち上げたきっかけのひとつは、仮に追い込み屋が存在するとするのなら、
 その動機が何であるのか? それを追い込み屋の定義を元にデータ
 を収集し、吟味してみたいと思ったからです。

 もちろん、よくある都市伝説のひとつにすぎないのかもしれません。

 では、もう少し、私が聞いた噂をベースにして詳細に追い込み屋について考察してみようと思います。

 まず、追い込み屋という集団は何らオカルティック・神秘主義的な存在ではない
 
ということです。

 私が噂で聞いた限りでは、追い込み屋とは暴力団の1職種の呼び名のようです。
 ここは任意の組織団体なら何でもかまわないでしょう。
 私が知りたいのはどのような組織が関わっているのかという噂の
 バリエーションです

 次に少し追い込みの仕組みについて考えてみたいと思います。
 
 いわゆる自己啓発セミナーを想起すると話がすっきりします。

 自己啓発セミナーの受講によって生じる受講者の心理的な機微について、私は詳細を承知しておりません。
 ただ、間違いなく言えることは、肉体的・心理的な極限状態のなかに受講者の身を置き、特に受講者のネ
 ガティブな心理を徹底的に責め立て、自我を破壊し、まっさらになったその自我に、新しい価値観を植え込
 むというのは、通念であり、また、基本的に間違った認識ではないと思います。
 
 もし、仮に任意の人物が自己啓発セミナーに行き、そして、その人格に変化が見られたというのであれば、
 取り敢えず、自己啓発セミナーに行ったこと、どのような人格に変化したかの可否はともかく、原因があり結
 果があるということを人は認識することができるでしょう。
 
 ここでかなりの論理の飛躍があるのですが、話を進めます。
 自己啓発セミナーに必要なものは何でしょう?
 言葉です。
 ですから、言葉を伝達する手段さえあれば、自己啓発セミナー的状況を作り出すことは可能です。
 しかし、自己啓発セミナー的状況がどこにでも生じるかといえば無理があります。
 そこで追い込み屋というのは既存のテクノロジーを使って(言葉を伝達するテクノロジーというのは
 ハイテクというより、ローテクといって良いでしょう)、多種多様な小細工をして自己啓発セミナー的
 状況を創出するのではないかと思います。
 
 上述したように、自己啓発セミナーに行ったという事実があれば、そこに因果関係が認められます。
 しかし、それが人知れず行われたのであれば、人はターゲットとなった人物が突然おかしくなったとしか思いません。
 
 むろん、突然、おかしくなることは世の中にありふれています
   (会社のストレスから、子供の養育に疲れたなど)
 
 つまり、人為的に、悪意を持った人間によってある
 人物がおかしくなったのか
、それともたんに社会的な摩擦からおか
  しくなったのか、その差異の見極めが非常に困難なものになります。(追い込み屋そのものが
 「社会的」であるならば、
追い込みそのものが「社会的」摩擦となり同義
 語反復
になってしまいますが)
 
 逆から言えば、悪意をもってある人物を圧迫し心理的な障害を生じさせておきながら、それ
 はたんに社会的な摩擦によって生じたものにすぎないとシラを切るこ
 とも可能
であるということです。(論理的にもっと厚みをもって書くことは可能なのですが、今回は
 私なりの推測を大雑把に掴んでもらうために、細かい整合性には拘っておりません)
 もう少し具体的に書いてみましょう。
 
 これは噂を元に私が想像したものです。
 
 もし、部屋のなかにスピーカーなどを仕込まれて、電波的と称する言葉を浴びせ続けられればどうなるでしょう?
 
 例えば、部屋から「逃げられない」などという言葉が聞こえるといった状況は常軌を逸しています。

 しかし、事実として、追い込み屋と称する輩がそういう仕掛けを施していたらどうでしょう?
 これはとてつもなく奇妙な事態を引き起こします。
 なぜなら、本当に電波系と呼ばれる人々は、自分の心の中の声を聞いているだけなのですから。

 つまり、一般的に信じられている外的状況を演出することによって、当人をその演出の中に巻き込んでいき、ひいては事実そのものを虚偽のものとして退ける
 そして、ターゲットなる人物を葬り去る。
 
 これはなかなかに薄ら寒いストーリーです。
 
 さて、あくまでも噂を仮定に話を進めてきました。
 
 さらに蛇足ながら、噂を元にひとつの推測をしてみたいと思います。

 それは私が聞いた噂では追い込み屋は丸暴の1職種というこことになっています。
 
 追い込み屋という職種がなぜ生じたのか?
 
 私は、地上げの副産物ではないのかと推測しています。
 
 地上げというのは住居者を退去させるために、あらゆる嫌がらせを行います。
 
 その過程で、たまたま、ある住居者が精神障害に陥ったのではないのか?
 
 本来、住居者を退去させることが目的だった嫌がらせに、思わぬ効果を発見したのではないのか?
 
 そこで地上げのノウハウをフィードバックさせつつ、追い込み屋という新しい商売を始めたのではないのか?
 
 
 さて、かなり大雑把ではありますが、第1回目の追い込み屋についての説明については
 この辺りで終了します。 
 
 
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